『Q』(キュー)は、日本のバンド・Mr.Childrenの9枚目のオリジナルアルバムである。2000年9月27日にトイズファクトリーより発売されました。
通常盤のみで発売。前作『1/42』から約1年ぶり、オリジナルアルバムでは7thアルバム『DISCOVERY』から約1年8ヶ月ぶりとなるアルバムです。
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ニューヨークでレコーディング
本作のセッションは桜井のプライベートスタジオで以前から行われていたが、セッション終了後にニューヨークの「Oorong NY Studio」に移動。
のスタジオは小林が所有していたスタジオであり、レコーディングが行われた時期は丁度スタジオが完成した直後だったといい、ニューヨークでは以前のセッションで作り上げていた曲のイントロ、アウトロ、伴奏などの構成を小林と桜井の二人でミーティングし、新たに構成し直した物を再びバンドで演奏するという形で作業が行われました。
また、プライベートスタジオでProtoolsに録っておいたものの中で、ドラムやギターのフレーズなど使えるものはそのまま使用しているとのこと
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タイトルQの由来
アルバムタイトルは本作が9枚目ということにちなんで、レコーディングの初期に桜井が遊び心で譜面などに小文字で「q」と書いていたものをメンバーやスタッフが気に入ったことに由来します。
そのため桜井は、「『Q』という言葉自体に深い意味はない」と述べています。他のタイトル候補として、『Hallelujah』『Stomach Love』があった。
曲のテンポをダーツの合計点によって決めたり、コード進行をくじ引きによって決めたりと、非常に自由なセッションによって制作が進められた。
そのため、作曲クレジットがMr.Childrenとなっている曲も存在している。
一方で「つよがり」のようなバンドが目立たない曲(桜井曰く「ソロシンガーとして歌うような曲」)も収録されています。
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Qの収録曲は?
全作詞: 桜井和寿、全編曲: 小林武史 & Mr.Children、ストリングス・アレンジ: 小林武史、Stephen Barber、Tony Finno。 | |||
# | タイトル | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「CENTER OF UNIVERSE」 | 桜井和寿 | 5:32 |
2. | 「その向こうへ行こう」 | Mr.Children | 5:48 |
3. | 「NOT FOUND」 | 桜井和寿 | 4:54 |
4. | 「スロースターター」 | 桜井和寿 | 3:15 |
5. | 「Surrender」 | 桜井和寿 | 3:41 |
6. | 「つよがり」 | 桜井和寿 | 5:09 |
7. | 「十二月のセントラルパークブルース」 | 桜井和寿 | 5:01 |
8. | 「友とコーヒーと嘘と胃袋」 | 桜井和寿 | 4:55 |
9. | 「ロードムービー」 | 桜井和寿 | 4:18 |
10. | 「Everything is made from a dream」 | Mr.Children | 4:40 |
11. | 「口笛」 | 桜井和寿 | 5:48 |
12. | 「Hallelujah」 | 桜井和寿 | 6:48 |
13. | 「安らげる場所」 | 桜井和寿 | 3:54 |
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当時は最高の駄作と一般人にはおわわれていたでしょう。
今作では小林武史は一歩引いた感じでプロデュースしていたという。メンバーで楽曲を制作し、後から小林武史が合流するという形で制作されたようだ。
かなり意味不明なアルバム。タイトルのみならず、ジャケ写やアルバム全体の雰囲気も何か変なのである。曲に関してはあみだくじやダーツでコード進行やテンポを決めたものもあるという
ただ、するめアルバムとして人気はありました。
しかし、今作を通して得た反省を生かしてベスト盤をリリースしたり、売れ線に戻ったりと地味に今作の役割は大きい。
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「CENTER OF UNIVERSE」
今作のオープニング曲。ライブの定番曲。
ゆったりとしたテンポから始まり、サビの直前で速くなってそのまま進む。
ダーツで決められたテンポだという。「誰もが予測しとくべきだった展開」だというが、到底予測なんてできない。「僕こそが中心です あぁ世界は素晴らしい」というフレーズが印象的。
このアルバム特有の、意味はありそうで意味は無い世界観を象徴するようなフレーズである。「世界の中心は自分」というこの発想。誰もが持っている考えなのかもしれない。気だるい雰囲気が漂っているが、それがクセになる。この曲が一曲目に配置されているのが素晴らしい。名采配だと思う。
「その向こうへ行こう」
キャリアを通しても珍しい、作曲がMr.Childrenと表記された曲。前の曲からは繋がっている。「Mr.Childrenが漫画『バガボンド』のテーマソングを作ったら」というコンセプトで作られた。
「僕はまだちゃんと本気だしてないだけ」というフレーズが印象的。自分を奮い立たせる時に言いたくなるワードだが、実際のところは頑張っていない自分を正当化させる便利なワードである。この曲も遊んでいるような雰囲気を感じさせる。
「NOT FOUND」
先行シングル曲。フジテレビの月9ドラマ『バスストップ』の主題歌に起用された。コード進行をくじ引きで、テンポをダーツで決めた曲。ギターが前面に出たサウンド。過去の自分への後悔や憎悪を忘れようとする男が描かれている。「愛という 素敵な嘘で騙してほしい」というフレーズが印象的。桜井の高音がキレッキレ。この頃が桜井のボーカルの全盛期だと思う。
「スロースターター」
歪んだギターサウンドが心地良い曲。力強いバンドサウンドが展開されている。桜井のシャウトするようなボーカルが非常に格好良い。応援するような歌詞は無いのだが、不思議と頑張ろうと思わせてくれる曲。
「Surrender」
「I’LL BE」C/W曲。「I’LL BE」は収録されず。冒頭の鈴木英哉によるカウントが入っており、実質的にアルバムバージョンと言える。アコギが中心になった比較的シンプルなサウンド。ダークな雰囲気がたまらない。「I Surrender」と「愛されんだ」とかけている。非常に上手い。
「つよがり」
しっとりと聴かせる系のバラード曲。前作「DISCOVERY」のデッドストック曲。
当時としては珍しい感じの曲だったが、2000年代後半以降似たような曲が増えている。ピアノ、ストリングスが主張し、バンドサウンドは控えめ。相手のことを気遣った歌詞が特徴的。とても優しい雰囲気がある。
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「十二月のセントラルパークブルース」
実験性の強い曲。アクの強いメロディーやサウンドではあるが、何故かクセになる。これは今作の収録曲全体に言えることである。横文字ワードが多用された歌詞が不思議な印象を醸し出す。詰め込まれた言葉が心地良く、すっと聴ける。売れ線はかなり外している。今作はどれぐらい売れ線を外せるかの勝負だったのだろうか?
「友とコーヒーと嘘と胃袋」
不思議な曲。タイトル、コード進行、転調… しかし、そのような奇妙さに引き込まれる。曲中には聞き取りにくいが、桜井のセリフが入っている。酒を飲んでからその部分をレコーディングしたため、呂律が回っていなかったようだ。そのような背景からも、今作の自由なレコーディング振りがうかがい知れる。喋っているような桜井のボーカルが印象的。
「ロードムービー」
ファン人気の高い曲。ピアノの音色が心地良いポップな曲。オートバイで淡々と走っている光景が浮かんでくるような、繊細な情景描写が展開されている。「街灯が2秒後の未来を照らし オートバイが走る」という歌詞が好き。ピアノが主張しているが、バンドサウンドを殺さない絶妙なバランスである。今作のアルバム曲の中では一番好き。
「Everything is made from a dream」
「その向こうへ行こう」と同じく、作曲Mr.Childrenの曲。タイトルが意味深。「全ては夢から作られている」。仮タイトルは「やまびこマーチ」だったというが、マーチを基にして曲が進行していく。よくわからないが、何故か中毒性が高い。セリフの部分の「夢、夢って あたかもそれが素晴らしい物のように あたかもそれが輝かしい物のように 僕らはただ讃美してきたけれど 実際のところどうなんだろう?」というフレーズが印象的。たまにそのようなことを考えたくなる。
「口笛」
先行シングル曲。ミディアムテンポのラブソング。美しく、優しいメロディー。温かみを感じさせる歌詞。今作の曲の中でも珍しい、Mr.Childrenの王道と言える存在の曲である。冬になると聴きたくなる曲。
「Hallelujah」
アルバムのタイトル候補だったという曲。元々は「I’LL BE」のC/W曲候補でもあった。イントロの田原による歪んだギターは幻想的な味わいがある。サビ以外が比較的高音なのだが、サビは低い。サビの歌詞は詰め込まれており、聴いていて気持ちが良い。ベスト盤「Mr.Children 1996-2000」ではラストを飾った。非常に壮大なイメージの曲。歌詞の内容もかなり壮大。「もしかして地球が止まっても 人類が滅亡に向かっても そう この想いは続く」というフレーズが顕著。
「安らげる場所」
今作のラストを飾る曲。ピアノとストリングスのみで構成されたサウンド。ラスト以外に置き場が無いように思える曲。桜井以外のメンバーは出番無しである。桜井の個人的な歌なのだという。「人はなぜ幸せを闇雲に求めてしまうんだろう? 何より大事な物も守れずに」というフレーズは身につまされる。
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まとめ
もう20年弱のアルバムであるのですが、今の桜井さんはこのようなアルバムを作れるのでしょうか。今だからこそ聞いてみたい。
でももう厳しいのでしょうね。30回くらい聞くと良いアルバムではまりますのでお勧めします。
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